アメリカを代表する歴史的な道路「Route 66」。
シカゴからロサンゼルスまでを結んでいたこの道には、今も古き良きアメリカの雰囲気を残す街が点在しています。
今回訪れたのは、アリゾナ州にある小さな街セリグマン(Seligman)。
街に到着すると、いたるところに「ROUTE 66」の文字。クラシックカーや古い看板、昔ながらの建物などが並び、まるで時代をさかのぼったような景色が広がっていました。

そしてセリグマンといえば、ディズニー&ピクサー映画『カーズ』とのつながりでも知られる場所です。
街に入った瞬間からRoute 66!
セリグマンの街を歩き始めて、まず印象的だったのがRoute 66を前面に押し出した街並みです。
写真にも「HISTORIC ROUTE 66」と大きく書かれたモーテルの看板があり、その向かい側にも「Route 66 Road Runner」の文字。

普通の道路を歩いているだけなのに、Route 66を旅していることを実感させてくれます。
現在の長距離移動では州間高速道路のInterstate 40が中心となっていますが、セリグマンではHistoric Route 66の雰囲気が色濃く残されています。
映画『カーズ』の世界を思わせる街
セリグマンを歩いていると、「この雰囲気、どこかで見たことがある」と感じるかもしれません。
思い浮かぶのが、ディズニー&ピクサー映画『カーズ』です。

『カーズ』に登場する「ラジエーター・スプリングス」は実在する一つの街をそのままモデルにしたものではなく、Pixarの制作チームがRoute 66を実際に旅し、沿線のさまざまな街や人々から着想を得て作り上げた架空の町です。
そのRoute 66沿線の重要な場所の一つがセリグマン。
実際に街を歩いてみると、古い車、Route 66の看板、レトロな建物などが次々と現れ、『カーズ』の世界観と重なるような風景を楽しめます。

映画を見たことがある方なら、街歩きがさらに楽しくなる場所ではないでしょうか。
「Copper Cart」の巨大看板も
街を歩いていて目を引いたのが、大きな「COPPER CART」の看板です。
その下には「ROUTE 66 MOTORPORIUM」の文字。

周囲にもRoute 66のシールドマークやアメリカ国旗、クラシックカーなどが並び、とにかく写真を撮りたくなるものばかりです。
建物の前には車体いっぱいにステッカーが貼られた車もありました。
セリグマンではこうしたものが一か所だけにあるのではなく、街のあちらこちらで見つかります。
年季の入ったクラシックカーがずらり
そして今回、特に印象に残ったのがクラシックカーです。
かなり年季の入った大型車両をはじめ、黒と白の「POLICE」と書かれた車、ボディに「SELIGMAN, ARIZONA」「GET YOUR KICKS ON ROUTE 66」などと描かれた車もありました。

きれいにレストアされた車を展示するというより、錆や色あせも含めて長い年月を感じさせる姿のまま置かれているものも多く、それがセリグマンの雰囲気によく似合っています。
さらに、フロント部分に大きな「目」が付けられた車両も!

映画『カーズ』を知っていると、思わず足を止めてしまう光景です。
※これらの車両そのものが『カーズ』の特定キャラクターのモデルだったという意味ではありません。
古いガソリンポンプや廃車までフォトスポットに
Route 66らしい風景は車だけではありません。
写真には「Phillips 66」のロゴが入った昔のガソリンポンプも。
その横には黄色とオレンジに塗られたフォルクスワーゲン・ビートルが置かれ、奥の建物にもRoute 66やInterstate 40などの標識がびっしり。

さらに別の場所には、各州のナンバープレートを貼り付けた「OPEN」の看板と、鉄道の踏切を示す「RR」のマークを取り付けた古い車両もありました。
街全体がRoute 66をテーマにした屋外博物館のようです。
壁いっぱいに描かれた「HISTORIC US 66」
こちらもセリグマンらしい光景。
建物の壁面いっぱいに巨大な「HISTORIC US 66」のマークが描かれています。

その周囲には動物やアメリカ西部を思わせる風景なども描かれていて、単なるRoute 66の標識とはまた違った迫力があります。
街中にこうした壁画や看板があるので、「次は何があるんだろう?」と探しながら歩くのもセリグマン観光の楽しみでした。
「Angel & Vilma’s Original Route 66 Gift Shop」へ
そしてセリグマンで立ち寄ったのが、Angel & Vilma’s Original Route 66 Gift Shop。
外観からRoute 66一色です。

建物には「The Birthplace of Historic Route 66」の文字があり、軒下にもイリノイ、ミズーリ、カンザスなどRoute 66に関連する州のシールドが並んでいます。
店内に入ってみると、さらにすごい!
壁から天井まで、Route 66関連のアイテムで埋め尽くされています。

ナンバープレート風のプレート、バッグ、マグカップ、ステッカー、雑貨など、お土産を探すだけでもかなり楽しめる空間でした。
Route 66好きにはたまらないお店です。
Route 66復興に尽力したAngel Delgadillo
店内には、理髪店を思わせる椅子と、男性の等身大パネルが置かれた一角もありました。
この人物がAngel Delgadillo(エンジェル・デルガディーロ)。

セリグマンで理髪師として働き、Historic Route 66の保存・復興に尽力した人物として知られています。
1980年代にInterstate 40の開通によって旧Route 66沿線の交通量が大きく変化するなか、セリグマンをはじめとした旧道沿線を再び盛り上げる活動に取り組みました。
現在、世界中から観光客がHistoric Route 66を目的にセリグマンを訪れる背景には、こうした地元の人たちによる活動があります。
店内に残された理髪店の雰囲気を見ると、単なるお土産店ではなく、Route 66の歴史そのものに触れられる場所なのだと感じました。
小さな街なのに、歩いているだけで楽しい
セリグマンを訪れて印象的だったのは、巨大な観光施設があるわけではないのに、街を歩いているだけで次々と面白いものに出会えること。
Route 66の看板を見つけ、クラシックカーを眺め、壁画を撮影し、昔のガソリンポンプを発見して、最後はRoute 66グッズがぎっしり並ぶショップへ。

写真好きなら、なかなか前に進めません。
特に『カーズ』が好きな方なら、Route 66沿線の街々から映画の世界観が生まれていったことを思い浮かべながら歩くと、また違った楽しみ方ができると思います。
グランドキャニオン観光と組み合わせるのもおすすめ
セリグマンはアリゾナ州北部を巡るロードトリップで立ち寄りやすい場所です。
今回の旅でも、雄大な自然を楽しむグランドキャニオンとはまったく違う「アメリカらしさ」を味わうことができました。
大自然のグランドキャニオンと、古き良きアメリカの雰囲気が残るRoute 66。
同じアリゾナでも、その魅力はまったく異なります。
Route 66の歴史に詳しくなくても、セリグマンは十分に楽しめる街でした。
そして帰国してから写真を見返してみると、青い空、色あせたクラシックカー、Route 66の看板……どれも「アメリカを旅した!」という気分にさせてくれます。

映画『カーズ』が好きな方はもちろん、アメリカらしいロードトリップを楽しみたい方にもおすすめしたいセリグマン。
グランドキャニオン方面を車で旅する機会があれば、Historic Route 66の雰囲気を味わいに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
というわけで、良い旅を!
●グランドキャニオンのレポートはこちら。



















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