フォン川を一望できる丘の上にある、
「ティエンムー寺院」は、1601年に建立されたフエで最も古い寺院の一つ。
寺院に入るとすぐに、高さ21mのトゥニャン塔(パゴダ)がお出迎え。漢字では「慈悲塔」と書くそうです。八角形七層の建物はどこから見ても凛とした佇まい。
その横には六角碑亭。
亀の像が鎮座。なでるとご利益があります。
そして六角大鐘楼。
その奥には大雄殿(ダイフン殿)。
お参りをすませます。
あとは庭園にある盆栽を見て大団円と思いきや、実はここからがメインコンテンツでした。
それが寺院の奥にあるこちらの車。オースティンA95です。
ベトナムが南北に分かれていたころ、このお寺があるフエは当時南ベトナムに属していました。アメリカの支援を受ける南ベトナムはキリスト教徒の数が多く、仏教徒を弾圧的していたとのこと。そんな中、このティエンムー寺の僧侶「ティック・クアン・ドック」は、首都サイゴンまで「オースティン A95」に乗って行き、そこで自ら焼身自殺をしたそうです。この一件がきっかけとなり、同年11月に起こった軍事クーデターによりベトナムは大きく変わりました。
その焼身自殺の時に、ティック・クアン・ドック僧侶の身体の大部分が焼け落ちてしまったにもかかわらず、遺体の中から形そのままで焼け残った心臓が発見され、強靭な意思の象徴として全世界で大きなニュースとなりました。
そんなオースティンA95を見に来るだけでも価値のある寺院でした。
寺院を後にして駐車場で飲んだサトウキビジュースは、
甘くもありほろ苦くもあり、歴史を感じながら飲みましたよ。
というわけで、よい旅を!
●その他のベトナムの世界遺産レポートはこちら。
●ティエンムー寺院 / Chùa Thiên Mụ
・住所:Nguyễn Phúc Nguyên, Hương Long, Tp. Huế
・開館:常時(年中無休)
※本殿の開館は7:00~11:00 / 14:00~18:00
・料金:無料
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