青森市にある特別史跡「三内丸山遺跡」を訪れた際、遺跡とあわせてぜひ見ておきたいのが、縄文時遊館内にある常設展示室「さんまるミュージアム」です。
屋外に広がる三内丸山遺跡では、復元された大型掘立柱建物や竪穴建物などを通して縄文時代の集落の大きさを体感できますが、さんまるミュージアムでは、そこに暮らしていた人々が「どんな道具を使い、どんな生活をしていたのか」をさらに詳しく知ることができます。
実際に見学してみると、単に土器や石器をケースの中に並べただけの博物館ではありませんでした。
タイムスケールトンネルを通って縄文時代へ
「さんまるミュージアム」と書かれた赤い入口から中へ。

最初に印象に残ったのが、時代をさかのぼっていくような「タイムスケールトンネル」です。
壁には時代を示す数字が並び、現代から古墳・飛鳥時代などを経て縄文時代へと向かっていく演出になっています。

屋外の遺跡を歩くのとはまた違い、ここから一気に縄文時代の世界へ入っていくような感覚があります。

三内丸山遺跡から出土した約1,700点を展示
さんまるミュージアムには、三内丸山遺跡から出土した重要文化財約500点を含む約1,700点もの遺物が展示されています。
まず目を引いたのが、ずらりと並んだ縄文土器。

一口に縄文土器といっても、大きさや形、表面の模様はさまざまです。大きなものから細長いもの、小ぶりなものまで一堂に並んだ展示はかなりの迫力があります。

数千年前に実際にこの場所で使われていたものだと考えながら眺めると、縄文時代が急に身近に感じられてきます。
石器や道具から見えてくる縄文人の生活
展示されているのは土器だけではありません。
石器など、縄文人が日々の生活の中で使用していたさまざまな道具も見ることができます。

さらに館内には「海と山の恵み」「森と育てる」といったテーマごとの展示があり、狩猟や採集などと当時の生活との関係がわかりやすく紹介されています。

弓を構えた縄文人の人形の周囲には石鏃などの出土品が展示され、背景には森と動物たちが描かれています。
「この石器は何に使ったのだろう」と出土品だけを見るよりも、実際に使用していた場面を想像しやすい展示になっているのが印象的でした。
縄文人の暮らしをリアルな人形で再現
さんまるミュージアムで特に面白かったのが、縄文人の暮らしを再現した展示です。
復元された建物の内部には、火を囲む人々の姿があります。

木の骨組みや屋根、敷物、道具なども作り込まれており、縄文時代の一家の生活をのぞいているような雰囲気です。
屋外の三内丸山遺跡にも復元建物がありますが、ミュージアムでこうした生活の様子を見ることで、「この建物の中で実際にこんな暮らしをしていたのか」とイメージしやすくなりました。

公式サイトでも、さんまるミュージアムのテーマ展示では、人形などを使って出土品から考えられる縄文人の生活場面を紹介しているとされています。
お墓や装身具から縄文人の人生にも迫る
展示は食事や狩りといった日常生活だけではありません。
「大人の墓」「子どもの墓」といった展示もあり、縄文時代の人々が死者をどのように葬っていたのかについても紹介されています。

また「身を飾る道具」のコーナーには、さまざまな装身具が並びます。
衣食住だけではなく、身を飾る文化があったことも、実物の出土品と再現された人物の姿を組み合わせることで伝わってきます。

数千年前の人々というと、どうしても遠い存在に感じてしまいますが、こうした展示を見ていると、家族がいて、食事をして、装いを楽しみ、亡くなった人を葬るという、人間の営みそのものは現代にもつながっていることを感じます。
暗い展示室に浮かび上がる出土品も印象的
館内には雰囲気がガラリと変わる展示スペースもあります。
照明を落とした空間に土器などが浮かび上がるように展示されており、明るい生活再現エリアとはまったく違った印象です。

展示ケースの中の一つひとつの遺物に自然と目が向くような空間になっていて、縄文土器の造形そのものをじっくり楽しむことができました。
発掘された地層も間近で見られる
さらに目を引いたのが、大きな地層の展示です。
土の色や層の違いがはっきりと見え、その中には土器片なども見えます。

完成した土器や石器だけを見るのではなく、それらがどのような状態で土の中に残されていたのかまで知ることができるのは、遺跡に併設されたミュージアムならでは。
発掘調査と展示が一本につながって感じられるコーナーでした。
QRコードやデジタル展示も充実
館内の各所にはタッチパネルが設置されているほか、展示のそばにはQRコードも用意されています。
スマートフォンでQRコードを読み取って展示解説を見ることができ、公式案内によるとアプリのインストールは不要です。
実物の出土品、再現人形、映像やデジタルコンテンツを組み合わせているため、考古学に詳しくなくても比較的入りやすい展示だと思います。

ミュージアムショップは縄文グッズがいっぱい!
見学とあわせてチェックしたいのがミュージアムショップです。

店内には三内丸山遺跡や縄文文化に関連した書籍をはじめ、Tシャツ、トートバッグ、文房具などさまざまなグッズが並んでいました。
「JOMON AOMORI」のデザインが入ったTシャツなど、いかにも博物館のお土産という感じではなく、普段使いできそうなアイテムもあります。
さらに面白かったのが、組みひもや籠などの手作りキット。

三内丸山遺跡で縄文文化に触れたあと、自宅でも「縄文」を楽しめるお土産になりそうです。
青森らしい「ねぶた」関連の商品なども並んでおり、お土産選びだけでも楽しめるスペースでした。

公式案内でも、縄文時遊館内のミュージアムショップでは、三内丸山遺跡に関する書籍や縄文グッズなどを販売しています。
遺跡とセットで見ると三内丸山がもっと面白くなる
三内丸山遺跡を訪れるなら、屋外の遺跡だけで終わらせず、さんまるミュージアムまで見学するのがおすすめです。
遺跡では「縄文人が暮らしていた場所」を体感し、ミュージアムでは「そこでどんな暮らしをしていたのか」を知る。
この2つを組み合わせることで、三内丸山遺跡への理解が一段と深まりました。
特に、たくさんの土器が並ぶ展示や、縄文人の生活を再現した人形、復元建物、狩りや装身具、お墓に関する展示などは、子どもでも縄文時代の暮らしをイメージしやすいと思います。

実物の出土品を見るだけではなく、縄文人の生活そのものを追体験するように楽しめるミュージアムでした。
という訳で、良い旅を!
さんまるミュージアム
さんまるミュージアムは、三内丸山遺跡のガイダンス施設「縄文時遊館」内にあります。
現在の公式案内では、三内丸山遺跡を含む常設展の観覧料は一般500円、大学生等250円、高校生以下無料。開館は通常9:00~17:00で、GW期間中と6月1日~9月30日は18:00までとなっています。休館日などは訪問前に最新情報を確認するのがおすすめです。
●三内丸山遺跡
・住所:〒038-0031 青森県青森市三内丸山305
・電話:017-766-8282























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