少女 湊かなえ

いやー、

物語の前半部分は「告白」のほうが10倍面白かったけど、

後半は「少女」のほうが100倍面白かった!

湊かなえは天才だなー!

と思わせる1冊。

Dsc08903

====ここからはネタバレあります。====

最初があまり入り込めなかったのは

アスタリスクの1つと2つの違いがわからなかったから。

由紀と敦子の視点の違いなんだねー。

それが平行のまま進むだけかと思ったら、

後半に劇的に面白くなってきて、

帰りの電車で何度一駅乗り越したことか。

で、

彼女の得意技なのか、

最後のハッピーエンドから、

さらに一波乱。

でもってその波乱の上にさらにトッピングをする感じ。

ここまで綿密に計画された伏線が、

最後の章ですべてつながっていくのがとても心地よい。

書籍の帯の

「人が死ぬのを見てみたかった。」

のくだりは

この本の本質なのかも知れないけど、

こんな帯がないほうが先入観なくとっつけたかなー。

個人的には電車に飛び込んだ男性が

持っていた紙ふぶきが盗作された書籍のエンディング

だったことに背筋が寒くなりました。

自分は由紀でも敦子でも紫織でもないなあ。

こんなに出演者に思いを重ねることができない作品なのに、

こんなに惹かれてしまうのはなぜ?

そして、

この読み終わった後の放心っぷりはどこから?

そしてドラマ化したときにだれが敦子?